2015.11.30
sherry95(開発story1)
既にcoming soon!!としてHPに掲載しているこのルアーが、第1弾となるアイテムです。
新たなスタートに対して何を開発するか?
トップ、ミノー、バイブレーション、ジグ、ワーム・・・etc
やっぱり、新たな目線で考えると造ってみたいものはどんどん広がります。
でも、まずはルアーカテゴリーで考えるのではなく、自分がアングラーとして釣り場に立ち、特に意識しているもの、見てきたものをダイレクトに「形(アクション)」にしてみよう!
なんと言っても、挑戦する気持ちに溢れてますから♪
今回は、ここから始めました!
それは・・・
時としてターゲットとなる魚以上に、注意深く探したり、観察する「餌=ベイト」です。
その中でも、特に目にする機会の多い細身のベイト(小魚)を強く意識しました。
具体的には、イワシ、カタクチ、サヨリ、アユ、ウグイ・・・こんな感じです。
これらの魚は、今まで色んなシチュエーションで何度となく水面、時には水中からも観察してきました。
ベイトの動き。
「マッチ ザ ベイト」は昔から釣りで良く聞く言葉です。
シルエットだけでなく、アクションも本物に近くなればなるほど魚が口を使いやすくなるのは、当然ですよね。
また、生き物なので「油断している時」、「追われてパニックになっている時」、「ケガなどで弱った時」。
時としてそれぞれ違った動きを見せます。
そして、この動きをフィッシュイーターはよく見ている感じです。
もちろん、今までもこの動きをどうにかルアーに取り入れようと思考錯誤してきました。
ざっくりとですが、無防備なフラフラしている状態はシンキングペンシル系。
パニック状態はミノー系のジャークやトゥイッチなどが表現しやすい感じです。
さらに言えば、このベイトの動きにより近い要素が入ったルアーこそ、スレにくく、長い間「釣れる」と評価されるルアーだという印象もあります。
では、このベイトの動きをもっと再現してみよう!
ベイト(小魚)が油断している状態=フラフラと漂う感じ
ベイト(小魚)が急に逃げる動き=不規則に泳ぎきる
当然、これがルアーでありながら、より本物に近いほど、違和感なく喰ってくるハズです。
ならば、よりナチュラルなアクションを追求してみよう。
・・・その為には、規則性が崩れやすいリップ無しタイプで!
まず、方向性はリップレスのベイトに近いナチュラル系アクションに決まりました!
さらに、そこから一歩踏み込んで考えると・・・
「油断しているベイト」
「急に逃げるパニックベイト」
もし、これらが1つのルアー(1度のリトリーブ中)で表現出来たら、アングラーの使い方次第で単体表現だけでなく、
「油断していたのに突然パニックになるベイト」
「パニック後に力尽きて泳がなくなるベイト」
こんな複合演出も可能なハズ。
そうすると、ルアーアクションに劇的な変化、強烈な刺激が産まれ、
通常のルアーには全く反応しなくなったスレた魚。
捕食モードに入っていないニュートラル状態の魚。
・・・等々
今まで、喰わせ切れなかったこんな魚にも、もう一歩踏み込んだアプローチ、喰わせのタイミングをアングラー側から仕掛けていくことも可能に!
こう考えたのです。
さらに、使い手によってアクション演出が違えばターゲーットとなる魚への見せ方も全く違うハズ。
そうなれば、激戦区でも、アングラーさんがそれぞれ独自に「釣れるアクション」を生み出せるルアーになるかも?
・・・イメージはどんどん膨らみます♪
そこで、最終的にイメージしたのは
【全スピードレンジ対応のリップレスベイト!】
具体的な目標としたのは・・・
①スローからファーストリトリーブまでの全スピードレンジ対応のナチュラルアクション
②ベイトシルエットを維持
③リップ無し
④スピード変化、ロッドワークによるイレギュラー変化対応
⑤フィールドで使える十分な飛距離
こんなイメージを形にすべくsherryの開発に入りました。
・・・・が、チャレンジ項目が多すぎました(汗)
当然、これだけの項目全てにすぐにイメージ通りのアクションとしてクリアー出来るハズがなく。
ここから悪戦苦闘しながら、sherry開発と向き合う日々が始まるのです・・・
開発story2へ・・・
2015.11.27
開発への時間!
「メーカー名は何ですか?」
「ブランドいつからスタートですか?」
「どんなルアーから始めるのですか?」
今年2月に(株)ザップ (パズデザイン)を退社した後に、良く質問された内容です。
そして、時は過ぎて・・・今は11月末。
ということは9ヶ月余り経過しました。
すると、質問される内容も一部、変化してきます。
「まだですか?」
「もしかして、メーカー立ち上げ諦めたのですか?」
ついには、こんなことも聞かれるようになったのです(汗)
もちろん、僕からの答えはもちろん。
「いえいえ、メーカーやる気溢れてます!」
ですが、9ヶ月。
確かに、自身のメーカーを立ち上げる為に退社したのにも関わらず、すぐに販売へ向けた動きがないのは、もしかして、諦めたのか?
こう言われてもやむ得ない時間が過ぎたのかもしれません。
しかし、僕自身は退社してから、すぐに最初にやりたかった事に取り組んでました。
それは、開発力の再構築です。
「ルアー開発、設計」
このことにもう一度、一から向き合ってました。
それは、新製品の開発とはかけ離れたごく基礎的なところからです。
大学卒業後から、いろんな巡り合わせのもと、幸運にもルアー開発の仕事につくことが出来ました。
ルアー開発歴、約18年。
過去、それぞれの自社ブランドだけでなく、OEMの形で他メーカーさんの開発、設計に関わったアイテムも含めると100型を超えています。
経験は財産と言いますが、本当にいろんな経験をさせてもらいました。
もちろん、相当な失敗や思いがけない結果も。
この技術、ノウハウこそが、今まで自分をルアー開発を職業としてやってこれた糧でもあります。
本当に貴重な財産です。
それでも、ここ数年。
少しだけ自分の中にある違和感を感じてました。
「今の自分のイメージを形にするのに何か足りてないかも?」
ただ・・・
どんな技術が足りないのか?
どうやれば、それが身につくのか?
これが、ぼんやりとしかわかりません。
そんな違和感の払拭の為には、過去の経験値に頼ることなく、もう一度いろいろ挑戦してみるしかない。
何もわからず、試作を失敗しまくっていた昔のように。
なので、いろいろ試しました。
今まで経験していないこと、失敗の確率が高く避けてきたことをあえて試すので、結果は、失敗、失敗、また失敗。
まさに失敗の繰り返しです。
当然、上手くいかない事が前提なのですが、あまりに思うように進まない現実。
やっぱり、人間なのでイライラもします。
さらに、材料の消費だけでなく、加工も無理をかけるので切削機で使う刃物も折れまくります。
そして、これが実費です(涙)
1本数千円の刃物が、無惨に折れまくります(涙)
そんな日々の中。
会う人々にほぼ100%言われるようになった言葉があります。
それは・・・「痩せましたね~」
途中、あんまり言われるので、体重計を計ってみると・・・
まさかの58キロ。
少し前に比べるとマイナス7~8キロ?ちょっと痩せすぎました(汗)
そう言えば、睡眠時間も減り、食事の時間も不規則だったような。
(今は、意識的に食事の量も増やしたので回復してます♪)
基礎的な地味なトライ&エラーの繰り返し
開発経費はどんどんかかる。
上手くいかないコトへのイライラ。
そして、収入ゼロ。
正直、コレはキツイと思った日もあります。
ただ、それでも
「自分がやりたかったことへ挑戦出来ている環境」
「少しずつ、何かを見いだせている手応え」
何よりこのコトが、没頭出来るテンションを保てたのだと思います。
それを証明するように、「痩せましたね」の後に続くみなさんの言葉もほぼ一緒でした。
「でも、何か前より雰囲気かなり良いですね」
「何か、楽しそうですね」
そして、気がつけば、少しずつ今まで出来なかった事を形に出来る技術、新たな設計へのアプローチも見えてきました。
そうすると、技術面だけでなく、ルアー開発アイテムや、釣りに対して今までになかったイメージを持てるようになり、そこに大きな可能性を感じるようになってきました。
これからメーカーを始める前に今までやってきたルアー開発の延長線ではなく、新たな気持ち、技術での取り組み。
このスタンスを持つ為の時間。
そう考えると、無駄に痩せて追い込まれたのではないかな?
と今では思えるのです。
長くなりましたが・・・
この新たな気持ち、技術を持ってhifumi creatingでの発表に向けた各ルアー開発を始めるスタートラインに立てました!
(新たなルアーの開発話は、これからのコラムで・・・)
・・・
この貴重な新たなルアー開発に向かう準備期間。
表面的に何のアクションもないこの期間を応援してくれた、家族やまわりの人達。
FBを通して、いろんなメッセージを送ってくれた皆様。
変わらず新たなルアーの販売を待ってくれているアングラーの皆様に
本当に感謝です。
2015.11.21
hifumi creating
ついに、自身のメーカーを立ち上げることが出来ました!
【hifumi creating】
ヒフミ クリエイティングです。
hifumi creating。
どう思いますか?
実は・・・
横文字のそれっぽい?
格好良く聞こえそうな?
そんなブランド名も何パターンも考えたのですが・・・
結局は、開発時に大事にしている。
「1、2、3・・・と1段1段をしっかりと確認しながら積み上げていく」
「開発、実釣テスト、修正・・・この3つの段階をきっちりとフィードバックして、製品化していきたい」
また、自身が日本で育ち、日本のフィールドで学び、得た経験を形にしていくことを忘れないように、和(日本)のテイストを感じられるように【hifumi】と名付けました。
さらに、
「創り続ける」
この想いを込めて【creating】の文字を加えました。
このブランド名を胸に、1歩、1歩。
ちゃんとした1段、1段を積み重ねるように時間がかかっても、しっかりと創っていきます。
開発に特化したメーカー。
hifumi creating
どうぞよろしくお願いします。